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【介助犬あっぷる君が行く!2nd】第4話 訓練センターの1日

こんにちは!「介助犬」のあっぷるです。日本補助犬協会は、「身体障害者補助犬法」に定められた3種類の補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)の育成・認定を行っています。今回は、3種類の補助犬を一つの訓練センターで育てている僕の母校をご紹介します。

皆さんは、補助犬の訓練センターで、訓練士やスタッフの人たちがどんな業務を担っているかをご存じですか?

訓練士になるには

3種類の補助犬を育成するために、職員はたくさんのことをお勉強するそうです。

最初の1年間は飼育管理と呼ばれる業務で主に犬舎にいる犬たちの日々のお世話を担当します。2年目からは担当犬のしつけや訓練を先輩訓練士から学びながら二人三脚で犬に教え、3年目は先輩の指導のもと自分だけで担当犬を訓練するそうです。

訓練士になるためには最低3年間の経験を積み、更に指導員になるためにはプラス2年間は勉強をするんだって。訓練士になるのはとても大変だけど、みんなやりがいをもって勉強をしてくれているんだよ。

訓練士に必要な資格等:手話検定3級以上、介護職員初任者研修や介護福祉士、他。更に指導員は、社会福祉士などを取得するよう推奨

なぜこんなに広範囲の勉強をするのかって?それは補助犬と暮す人が、障がいの種別に関係なく誰もが気持ちよく訓練に臨めるようにだよ。

訓練センターの1日

今回は、いつも僕たちに寄り添ってくれる訓練センターの訓練士さんと僕たちの1日の生活を紹介するよ。

基本的なスケジュールの図

これは基本的なスケジュールなんだ。このほかにも子犬のお世話・訓練犬のお世話・引退犬のお世話などお仕事はたくさんあるんだよ。

子犬たちの生活

5月の初めに生まれた子犬たちもセンターのスタッフに見守られながらスクスク育っています。

子犬のお世話

子犬が生まれるとスタッフは交代で24時間様子を観察します。

母犬は子犬に付きっきりで授乳していますが、1日2回の体重測定で体重が思うように増えない子犬にはスタッフが哺乳をして、子犬たちの成長を見守っているんだよ。

訓練犬のお世話

訓練犬たちのお世話も忘れません。例えば、盲導犬の訓練犬は午前も午後も訓練士さんの車に乗って、街に出て道路を上手く歩く練習をしているんだよ。いろいろな場所へ出かけていき、周りの環境に慣れながら社会性を身に付けて、盲導犬として成長します。

雨の日には、訓練センターの中で階段の上り下りやエレベーター訓練など、介助犬や聴導犬の訓練犬たちも勉強に励んでいます。

引退犬のお世話

更に協会には、現役を引退した補助犬もいるんだ。ちょうど先月、僕の介助犬仲間が引退して岩手県のユーザー宅から横浜訓練センターに帰ってきたんだ。彼の話では、雨の日以外は毎日協会のドッグランで走り廻り、1日2回は飼育管理のスタッフとお散歩に行き、訓練センターの中では、まだ若い訓練犬のみんなと一緒に過ごしているんだって。

僕の友人たちは引退したとはいえまだまだ元気ですが、もっと年上の引退犬はだんだん歩けなくなってしまうこともあります。そんな時は、訓練士さんが前と後ろに一人ずつ付いて、一緒にお散歩に出かけます。それも難しくなると、犬用のカートに乗ってお出かけするよ。

訓練所の1日は、とっても忙しそうですね。スタッフの皆さんはこうして僕たちの一生に毎日寄り添ってくれていますし、さまざまなボランティアさんたちにも支えられています。

そして、僕たち補助犬はこのコラムを見ていてくれている皆さんにも支えられています。これからも応援をお願い致します。

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